安全永楽交通株式会社|バックオフィス見直し

給与・労務システム 切り替えのご提案

2026年6月22日 / 整理:米子実那子(北海トラベル) / 各社公式情報に基づく中立比較。金額は税込・概算(要見積項目あり)

現状と論点

この投資の性格(=何のためか)

コスト削減にはならない。人を増やしていない(総務の牧田さん1人で回っている)ため、削減できる人件費は無く、費用は純増になる。

本当の狙いは ①属人化リスクの保険——手続きが牧田さん1人に集中=抜けたら止まる、を解消し「その人しかできない」を「誰でもできる」に変える。加えて基盤先行で進めるなら ②将来の人事基盤づくり

完全無人化はできない。誰か1人の運用・確認は残る。目標は人を消すことではなく、余人をもって代えられる状態にすること。

※「グループ3社共通で導入」案は、トラベル14名+荘建7名=21名と小さく、費用対効果の決め手にはならない(コストも手続き量も実質ほぼ安全永楽)。判断は安全永楽単体で考えるのが妥当。

労務・明細の電子化:4つの選択肢

※給与計算はタナベ推奨のPCA給与(約16万/年・タナベ連携を保証)を土台にする前提。下の①〜④は、その上で労務・明細をどう電子化するかの選択(③はPCAで給与ごと一体化する案)。安く済むほど対応範囲は狭く(①は明細のみ)、入退社・社保・年調まで“全部”を叶えるほど相応のコストがかかる=安価に全部は両立しない。なお③PCAは従業員ポータルがメアド必須のため、ドライバー全員にメアドを用意しない限り選びにくい。
プラン①

Web給金帳 Cloud

約11万 円/年・初期0円
給与明細の電子配布に特化。設定用紙のID+仮パスワードを紙で配るのでメアド不要。
  • メアド不要(◎)
  • スマホ/PCで明細閲覧
  • PCA給与と連携可
  • 入退社/社保/年調は対象外
向き:紙明細の手間だけ最安で消したい。入退社・社保は当面 牧田さん+PCA給与で回す。
プラン②

オフィスステーション

約10万〜 円/年+初期11万
明細から始め、必要になったら労務・年末調整・社保をアラカルトで追加できる。
  • メアド任意(ID運用可)
  • 明細→労務/年調/社保へ拡張
  • 段階導入できる
  • 機能ごとに費用加算
向き:小さく始めて、様子を見ながら自動化を広げたい。
プラン③

PCA(給与+Hub労務)

約120万 円/年・給与本体込
タナベ推奨の給与システムと一体。明細・入退社・社保・年末調整までPCAで固める。
  • 給与計算が本体で確実
  • タナベとの連携を保証
  • 価格が公開で読みやすい
  • メアド必須/専用アプリ無し
向き:タナベ連携を重視し給与ごとPCAで固めたい。ただし従業員ポータルがメアド必須=ドライバー全員にメアドが要るため、今の前提では選びにくい
プラン④

SmartHR(フル)

約300万 円/年・本体は要見積
入退社・社保・年末調整・明細を専用スマホアプリで完結。人事評価機能も付く。
  • メアド不要(社員番号)
  • スマホアプリ+プッシュ通知
  • 入社/社保/年調まで自動化
  • 固定費が大きい
向き:人を増やす代わりにシステムで効率化(=2人目採用の代替)と割り切れる時。

判断の軸(トレードオフ)

① メアドの壁(ドライバー全員は持っていない)

  • ◎ 不要 Web給金帳(紙のID配布)/SmartHR(社員番号)
  • × 必須 PCA(メール必須・SMS不可)=全員メアド整備が前提

② タナベ連携と歩合計算

  • PCAはタナベ連携の窓口がある分は有利。ただし連携は完全自動では準備できず、いずれも自前作業が残る(特にタナベへの書き込みは難所)。
  • 共通 複雑な歩合給計算はどのシステムも非対応Excel または自作アプリで外部計算し、CSVで取り込むのが前提(PCA・SmartHR含め全案共通)。

③ コストと「採用の継続」

  • ①11万 と ④SmartHR 300万で約27倍の開き。
  • ★決裁ポイント:SmartHRは“採用が続く”前提でこそ元が取れる。採用が止まれば、結局は給与明細配布に約300万を払う構図になる。
  • 歩合給計算はどのツールも標準外 → 内製ウェブアプリ+CSVで対応可能(こちらで作れます)。

④ 固定費の体力(事業構成)

  • 同業・東邦さんは事業軸が複数(タクシー+ハイヤー+観光)=リスク分散が効き、固定費を抱える耐性が高い。
  • 安全永楽はタクシーに事業集中=同じ固定費でも下振れ時の重さが大きい。「いくら固定費を背負うか」は他社をなぞれない=自社の体力で判断

同業の実証(参考)

近隣の同業・東邦さんが、全く同じタナベ基盤でSmartHRを導入済み。評価は「すべては叶わないが、便利にはなっている」——同規模同業の正直な合格ライン。ベンダー説明より信頼できる実証データ。

トレースできる所/できない所を分ける:労務層(入退社・社保・年調・明細・メアド無し運用)は事業軸に依存せずそのまま真似できる。一方、給与・歩合計算は事業軸(東邦さんはハイヤー・観光あり)で異なるため自社で用意。固定費をどこまで背負うかも会社の体力次第(上の軸④)。

※基盤が同じだからこそ、東邦さんで「叶わなかった所」は安全でもそのまま起きる=“叶わなかった所”を具体的に聞き、安全で許容できるかを確認するのが最重要。

判断の整理 ── 2つの戦略

A|段階型(固定費を抑える) ①Web給金帳/②オフィスステーションで、痛点から最小コストで解く。将来リスクを避けたい・採用や業績の見通しがまだ不確かな時に向く。後からいつでも上位に足せる。

B|基盤先行型(将来に向けて整える) SmartHR(④)で人事労務をスマホ完結+情報を一元化。評価・タレントマネジメントまで将来活用でき、「基盤を整えたい」意向に合う。ただし採用が続く前提&固定費(約300万)を引き受ける判断が要る。②から始めて育てる中間策も有効。

どちらが正解という話ではなく、「今後の採用・成長をどれだけ見込むか × 固定費リスクをどこまで取るか」で決まる。今の業績は払える水準なので、最後は将来の採用見通しとリスク許容度の経営判断

いずれの場合も共通:複雑な歩合給計算はどのシステムも非対応 → Excel/自作アプリで外部計算しCSV取込。タナベ連携は完全自動にはならず自前作業が残る(特に書き込み。連携を重視するなら③PCAが手堅い)。メアドはID方式で回避。契約前に「やめる時のエクスポート可否」を必ず確認。

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