安全永楽交通|西宮の沢 土地活用

表側を小売へ貸し、社屋を移設する
—— やるか/やらないかの判断ロジック

整理:リバー(財務) / 2026年6月1日 / 壁打ちメモを1枚に集約・数字はこれから差し込む器

この案件の構造

安全永楽交通が西宮の沢に持つ大きな土地。その表通り側(今、社屋がある一等地)を、小売の会社が使いたいという話。

・小売は土地を「買う」のではなく「借りる」(=所有はこちらに残る)
・そのために社屋を移設する必要があり、移設費は小売が5億円まで負担
・5億では足りず、不足分は借入
・新社屋にはグループ(トラベル等)が入るが、その賃料はグループ内の付け替えで連結では消える=返済原資にはカウントしない

つまり本質は「賃料で回収する投資」ではなく、遊休の一等地を地代で働かせ、ついでに社屋を建て替える案件。物差しは利回りではない。

判断式 —— この3本を埋める

借入額 = 移設総額 −(小売の負担:上限5億) 足りない分が借金になる。まず移設の見積もりで決まる。
安全網 = 表側の土地の処分価値 … ①を上回るか? 所有を残すから、最悪は土地を売って返せる。表通り=流動性が高い=安全網が太い。
返済力 = 地代 + 安全の本業CF … ①の元利を賄えるか? トラベルは頼れない(フリーCFが年▲890万)。背負って返すのは安全(タクシー)の本業。
生命線はこの1本 ──
表側の土地の処分価値 > 借入額 を十分なマージンで満たす限り、この投資は攻めても死なない
地代で返済を全部は賄えなくても、最後は土地が返してくれるから。

地代で返せないとき ——「上回るメリット」があるか

社長の整理:地代で借入が返せれば万々歳。返せないなら、それを上回るメリットがあるか。 その「メリット」を漠然とさせないために、「やる/やらない」で並べる。

 やるやらない(今の社屋を使い続ける)
社屋小売の5億で新築(建て替えの先取り)いずれ自腹で建て替え
一等地地代を生む遊んだまま(収益ゼロ)
借入持ち出しあり(地代で一部相殺)なし
土地担保として手元に残るそのまま

いちばん見落としやすいメリット ── 移設=社屋の建て替えを、他人(小売)の5億で前倒しできる。グループはいずれ社屋を建て替える日が来る。その費用を今、他人の金で大半まかなえる。これは地代とは別腹のリターン。

※ ただしこの「先取り」が効くのは「いつか本当に建て替える」前提のときだけ。今の社屋があと20年戦えるなら、先取り価値は割り引いて見る。→ 社屋の築年数・あと何年使えるかも判断材料。

タイミング ——「待つ=安全」ではない

建設費は今、構造的に高い。資材は上下するが、労務費・人手不足は構造的で、待っても下がりにくい(むしろ上がる)。日本はデフレからインフレへ転換し、建設費はその最前線。

「高いから待つ」はデフレ時代の正解。インフレ局面では、待つほど高くなる。

だから前ページの「建て替えの先取り」メリットはインフレで増幅される。今5億で建つものが10年後は6〜7億かもしれない=今、他人の金で建てる価値は時間とともに上がる。

裏面:建設費が上がる局面は金利も上がる局面。建てるコストも借りるコストも両にらみ。「ゆっくり考える」ほど両面で条件が悪くなりやすい。
※ 実行段階では直近の建設工事費指数・金利の足元を取りに行って数字で固める。

集めに行く情報

⚠ 税務だけは先に大下先生へ

小売が移設費5億を負担する=安全から見ると"収入"扱いで課税される可能性(負担金・立退料的なもの)。そうなると5億がまるまる移設に使えず税で目減りし、①の借入額が膨らむ。手取りが変わると判断の土台が動くので、早めに当てておく。